アサマシジミの発生環境

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My Favorite Butterflies of JAPAN
を開設されている、畏友KENKEN氏が最近のブログ「撮影と探索の狭間で」の中で色々お書きになっていますが、私もここの所、多少考えることがありました。

撮影を始めた頃は、とにかくフィールドを開発しないことには、何も撮影できないのであちらこちらと歩きました。最初の情報は「ん十年前の採集案内」。

環境はかわっても地形はほとんどかわりませんね。続いて目的の種類のオフに再び訪問。これが意外に他種の好機ということがありました。やはり蝶にたいする環境が整っていたからなのでしょう。

つづいて昔ながらの1/25000地図をながめながら、暇な時間にドライブ。
撮影が目的の時は気の短い小生のこと、すぐに「ショバ変え」をしたくなってしまいます。
目的がドライブならね・・・・・
そんなこんなを数年続けていたら、情報が有機的に繋がり撮影スケジュールに困るほどになりました。
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ここのところちょっとばかり、カメラの方ばかりに考えが向いてしまっていたように思います。
当初は蝶の撮影というよりも、蝶や生き物を通じて自然と向き合うつもりだったのですから・・・・・
要するに「どこへ行こうかな」から「あれを撮りに行こう」になってしまってました。
もちろん継続的に同じ場所を訪れるのは大切なことですが・・・・・・
それとは別に純粋に「探索」という原点に帰ってはと考えさせられたのですよ。
その昔採集している頃は「新産地」を求めてあちらこちらへ出かけたモンです。たとえ採集できなくても、何かパイオニアになったような高揚感を感じたものであります。

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ではいつもの書き方へ。
この春ブログ仲間の某氏から、かって訪れたアサマシジミの発生地の現状を調査して欲しいとご依頼があった。
地図を拝見するとどこもそこそこの時間で出かけられるようだが、ただかなりの難路であることは間違いない。いやはやこの「探索意識」には畏敬の念を抱くものだね。本当にすごい。まして彼は遠征先なのだから。

まず最初に訪れたのは比較的標高が低い発生地。
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ここは沢沿いにエビラフジが繁茂していた。
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「適当な空間と風通し」がある。
続いて訪れた場所はやや標高が高い。
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現地に着いてみると予想していたよりも開けていた、なんでも休耕田だったところを、レンタルして稲作をしているようだ。
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随分広い範囲にエビラフジが群落を作っていたが、発生地にはやはり「日当たり」「風通し」が重要になっている感じだ。
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さて地元も覗いてみようと、実績はあるが最近開発で少なくなった発生地を覗いてみた。
ここは10株程度のエビラフジで細々と発生を続けていた。
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なんと「採幼の痕跡」が・・・・・・
うーんこれはきつい。それでもなんとか1頭確認できた。
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ここもススキの群落の周囲だけ発生していた。

今回数カ所順繰りに回ってみて、不思議なことにどこでもヒメシジミの交尾を観察できた。
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まあ個体数が多いこともあるが、多分、混生している場所では、ヒメシジミの最盛期とアサマシジミの発生開始とかさなっているのだろう。
ヒメシジミの雄がなんと誤求愛。
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結構しつこかった。
明日からも梅雨空が続くようだ。あたらしい楽しみが増えたのでしばらくはたのしめそうだね。

明日は曇り空がいいな・・・・・晴れなくてもいいよ・・・・・
by kmkurobe | 2010-06-21 17:18 | 生態写真 | Comments(14)
Commented by yoda-1 at 2010-06-21 19:02
アサマシジミの棲息環境の考察や食草の紹介など、大変勉強になります。
ヒメシジミは、翅裏模様の雌雄差が強烈ですね。
Commented by 蝶山人 at 2010-06-21 21:53 x
erebiaさん情報気になってました。
20年前と変わらず棲息している蝶もいれば
10年経たずに棲息地が変わるクモツキ、オオゴマ、
チャマダラ、クロシジミ・・・
いつも開拓して頂いた産地を訪れるので
開拓の苦労は判りませんが
産地には地形図や風景では読めない臭いが有ります。

昨年信州のクロシジミで臭いを覚え
地元でクロシジミ20年振りに産地発見しました。
今年はクロミドリの臭いを虫林さんに教わったので
しばらく地元産地を開拓します。
Commented by clossiana at 2010-06-22 09:03
皆さん、アマチュアなのですから蝶に対するスタンスは基本的には自由であっていいと思います。どういう形で蝶に接していても同好の仲間だと思うのです。但。私は個人的にはサムライ魂のようなものが無いと、この趣味の本当の醍醐味や深い喜びに接することが出来ないような気がします。生意気言ってすみませんでした。
Commented by kmkurobe at 2010-06-22 10:09
yodaさんアサマシジミの食草安曇野にはかなりあちらこちらにあります。場所によっては新芽を山菜として食べているところもあるようです。ただ発生の条件はかなりシビアなのでしょう。
数株しかないところで毎年発生しているのに、すぐ近くの大群落では全然というケースがよくあります。
ヒメシジミはコンデジで撮影しているので、ややはでな描写になってしまいました。現像処理してもカメラの特性というのはあるものですね。
Commented by kmkurobe at 2010-06-22 10:13
蝶山人さんせっかくお誘いいただいたのに申し訳ありません。たしかに現地へ行ってみないとわかりませんね。臭いですか、私も今年はムモンアカ、クロシジミのかすかな臭いをたどって、新地開拓といきたいところですね。
Commented by kmkurobe at 2010-06-22 10:19
clossianaさん当方のブログはあくまで、自分の心の内と対話して書いてます。どなたを批判するものではございません。もしもそのようにお感じになるところが多少なりともございましたら、小生の不徳のいたすところであります。まことに申し訳ありません。
もとより小生も純アマチュア。ただ違うのは田舎に住んでいるというところでありましょうね。その点では恵まれていると思いますよ。
Commented by ダンダラ at 2010-06-22 12:24 x
私の場合は、自力で開発ということがほとんどなくて、いつも人のお世話にばかりなっていますので、こういった話はなかなかつらいものがありますね。
いつも新しいポイントはないかと思いつつ、自分の撮影スタイルが、蝶の生きている姿をどうやってうまく表現できるかという方向なので、落ち着いて撮影に専念できる場所があればそれで満足してしまい、新たな場所を求めようという気になかなかなれません。
その時間があれば撮影に集中していたいと思ってしまいます。
一番良いのは、自分で開拓した理想的な撮影ポイントを、それぞれの種について持つことでしょうね。
そんなすごい境地になりたいものです。
今後は心がけないと。
Commented by kmkurobe at 2010-06-22 14:31
ダンダラ さん↑でもコメントいたしましたが、これは自分にとって見つめ直すということで書いております。
貴殿のスタイル何度もお近くで拝見して、常々尊敬致しております。舌足らずの文章になってしまい申し訳ございません。
私は仕事、家族の関係で丸一日家を空ける事ができません。それもあって、できる範囲でぼつぼつとやってきてました。ここへきて自分なりに、いささか無理をしているのかなとも思うのです。
少しの時間でも毎日フィールドに出られる事に感謝しなければいけませんね。
Commented by himeoo27 at 2010-06-22 22:21
最後のヒメシジミの雄のアサマシジミへ誤求愛画像面白いですね!近所に居る普通の蝶からこのような写真を撮りたいと思ったヒメオオです。
Commented by kmkurobe at 2010-06-23 10:30
himeoo27さんこちらではたまたまアサマシジミがご近所にいるチョウです。ここでは、ナミアゲハもアオスジアゲハもヤマトシジミもいません。この組み合わせの誤求愛、発生地がほぼ同じなので時々観察しています。
Commented by maeda at 2010-06-23 16:41 x
どの分野でも同じだと思います。
私も撮影をはじめて、撮ることばかりに力が注がれておりましたが、この2-3年前から昔の探求心が戻ってきたのか、新たなポイント探しに出かけております。ダメでもその他の発見があったりしますし、見つかりますとこれは相当に嬉しいですし。

アサマポイントの絵、とっても懐かしいです。ちゃんと環境が残ってくれていたことも嬉しいですが、そこにアサマがいるという事実が大変な喜びです。そんな自然、良いですね!
Commented by kmkurobe at 2010-06-23 17:03
maedaさんここは土地勘がないとなかなか林道には入っていけませんね。小生もこのあたりはあちらこちらオフに歩いたりしていたので、多仕様は楽でした。ただ対向車が来たらどうしようという問題は、どうしてもついて回りますね。
地元はエビラフジが随分広範囲に群落を作っている場所がいくつか見つかりました、月末には発生を始めるはずなので楽しみです。
Commented by kenken at 2010-06-24 07:16 x
ノスタルジックなポイントなのですね、そんな自然が残っているのはえぇもんです。
私も撮影地を教えていただくことはよくありますが、その場合も、ただそこで撮影するだけではなく、撮影地で体感した環境をもとに、同じような環境を別の場所で必ず探すように心掛けています。いつまでも「探索心」を持ち続けて、若々しくいきたいという本能からくるもので、決して、ブログ仲間の撮影スタイルを否定するものではありません。念のため。
Commented by kmkurobe at 2010-06-26 21:13
kenkenさんどうもです。ここの所は「採り屋」の感覚か゛残っているのかもしれません。ヤッパリ同じ種類でもラベルにこだわりましたからね。
なんか昔の感覚がよみがえってきたようで、たのしかったですよ。
ヤッパリその種類独特の臭いってありますね。
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