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アサマシジミの地理的変異-ミョウコウシジミ系?

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さて24日は待ちに待った梅雨の晴れ間、快晴・・・・・プチ遠征強行しようか本当に迷ったが、自重してアサマシジミの発生地を再訪した。多くの知見を得ることができたが、アサマシジミ以外でも、夏の蝶が一気に発生した感じで、楽しい休日を過ごすことができた。

アサマシジミ Lycaeides subsolana yagina 1970年代には特に意識しなくても、中信地域では広く分布していた。 

最初に観察したのは1972年の松本市藤井谷、青い部分があまり広くない、やや大型の体型をしていた。

その年北アルプスへクモマツマキチョウの採集にでかけたおり、沢沿いのタイツリオウギにたくさんの終齢幼虫がついていた。半月あまりして羽化したアサマシジミは小型で全面に水色の鱗粉が発達していた。初めての高地型アサマシジミとの出会いだった。

その頃ミョウコウ、シロウマ、トガクシ、ヤリガタケ、ハクサン、イシダなどと呼ばれていたアサマシジミの変異を集めたり、分布域を探索したりする記事が専門誌各紙で特集されたりして、一時は蝶屋の中でもブームになっていた。
地元の人でも知らない北安曇郡小谷村真木(実は2カ所ある)などという地名が一躍有名になったりした。

その頃読んだ記事の中に、長野県小谷村から新潟県笹ヶ峰にかけての地域変異の記事が掲載されていた。はっきりとは覚えていないが分布は連続していて、場所によって明らかに地域変異の傾向が見られ、その中間型も存在するとか書かれていたような・・・・・
今回撮影をしていた場所で農作業をされていた地元の方に聞くと、なんでも昔、大学の先生が毎年この時期になると、観察に来ていたとの話を聞くことができた。


さてミョウコウシジミなるものの標本写真をネットで色々と検索してみてわかったことは、エビラフジを食草としていること、シロウマシジミのように小型ではなくてそこそこの大きさだということだった。

私はタイツリオウギなどオウギの類を食草として、高標高の発生地に産する個体群を高地型と考えていたが、どうやらそうでもないらしい。このあたりの知識のある方、ぜひとも当方にご教示いただきたい。

さてたまたま当地に住むようになって18年。渓流釣りや写真撮影などでそこそこの土地勘はできた。
以前にもかいたが、ブログ仲間のご依頼でかっての発生地を訪れることになった。
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先週訪ねたある発生地はそれほどの高地ではないが、沢沿いにあって、かなりの積雪ためか発生が遅れていた。今回再訪してみたら、羽化直後の雄があちらこちらで、木漏れ日の中、羽を広げていた。
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自宅近くのアサマシジミとは明らかに違って、全面に水色の鱗粉が発達していた。生きているミョウコウシジミを観察したことはないが、なんかわくわくするような気持ちになってきた。
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はたしてこれがミョウコウシジミ系といわれている個体群なんだろうかね。
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食草のエビラフジはあちらこちらに群落を作っていたが、アサマシジミの発生地は本当に狭い場所に限られていた。かなりの個体を観察したが、ほぼすべて同じ特徴があった。本当にきれいな水色の翅表である。
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ヒメシジミもたくさん発生していたが、すでに発生は後期のようだった。
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微妙に住み分けているところが興味深い。やはりアサマシジミの方がいろいと条件が多いようだ。
しかし写真でブルーの発色の違いを表現するのは本当に難しい・・・・・ただ自宅近くの個体
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もアサマシジミとしてはかなり青い方なので、比べていただければ多少はわかっていただけるのではないかな・・・・・

アサマシジミ雄の誤求愛。ブルー系のシジミでは時々観察できる。
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吸蜜はエビラフジでする事が多いが、珍しく黄色の花に来た。
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北陸に近い産地では雌の裏面赤い帯状の斑紋が強く出るとか、これはもう一度出かけなければね。

最後に。これら発生地についてはどなたにもご紹介できませんのでよろしくご理解下さい。
by kmkurobe | 2010-06-26 16:20 |
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