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2014年信州蟻の巣小灰蝶(3)

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ムモンアカシジミは都会で暮らしていた頃は、お盆過ぎての蝶というイメージが強かった。
地元で2008年に見つけた発生地をずっと観察しているが、以外に発生は早く7月20日頃には発生が始まっているようだ。
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今年から観察を始めた安曇野の発生地でも7月25日にはすでに雌が複数発生していた。
ムモンアカシジミの発生地はかなり局地的と思っていたが、以外に地域的には薄いながらも連続しているような気がする。
各発生地の間にそこそこの条件を満たす場所があれば、まだまだ新産地を見つけるのはそれほど大変ではないのではないかな。

①発生地内部はある程度のスペースがほどよい日陰になっている。
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羽化直後の「スパッツをはいた」個体は日陰部分で見つかる事が多いかな・・・・・
②下草はそこそこの高さで、樹林内に空間が確保されている。
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日中気温が高いときは、下草に止まっている事が多い。
③発生地の周りに日当たりのいいオープンスペースがどこか一方以上に広がっている。
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交尾個体は比較的高い、明るい場所で見つかる事が多いような・・・・・
今回気がついたこと。

④発生地周囲に湿地や沢などがある。カヤ、スゲ、などの群落があり、ハンノキ、クルミ、なども目に付く。
樹液の発生する木が見られる場合が多く、時期的にオオヒカゲ、キマダラモドキ、オオムラサキ、ヘリグロチャバネセセリなどと一緒に観察できることが多い。
これは発生地内の湿度が確保されていることが、蟻と共生するという意味からもかなり重要なポイントになるのではのではないかな?

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ホストとして観察できたのはやはりブナ類が多くて、コナラ、ミズナラ、カシワ、他にはホウノキ、トウヒ?(針葉樹)、フジの蔓、今年はタラノキでも観察する事ができた。
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蟻のコロニー内ならあまり関係ないのかな・・・・・・

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最後に念力をかけてもなかなか開翅は撮影できなかった・・・・・・
全開翅してくれるのはなぜか傷んだ個体ばかり・・・・・・
うーんこれはほかの種類にも当てはまるのかもしれないね・・・・・・

いずれにしても「晩夏のオレンジ」はシーズン最終盤の大きな楽しみであることは間違いない。
昨日久しぶりに訪ねてみると、かなり傷んだ個体だが一瞬だけ降りてきてくれた。

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ちょっと寂しいけどいよいよ今シーズンも大詰めになってきたようだ。
by kmkurobe | 2014-08-19 11:51 | 生態写真
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