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神城断層地震と命名される

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旧ガクモヶ原と思われる湿原から遠く被災地を望む
(遠景の山際が今回の激震地)2009年3月

地震から3日目いまも余震が続いている。
今回地震被害が激しかった場所は長い間通っている場所である。
ここは湿原と里山の境目で豊かなハンノキの林が続いている。

さて自分なりに今回の震災を考えてみた。
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白馬盆地の北部は北城平(平川より北)北アルプスからの扇状地が松川、平川を中心に白馬駅付近まで押し出している。

JR大糸線より西は北アルプスからの土砂が堆積した複合扇状地を形成している。
このため姫川は盆地の東側の段丘下へ押しやられている。

平川より南は神城平と呼ばれていて、特にJR大糸線より東側と東山までの間は、70年代まで広大な湿地を形成していた。
その頃は飯森駅の前から対岸まで春は一面のザゼンソウ。広大なハンノキの林にはすごい数のミドリシジミが飛び回っていた。
80年代には土地改良事業が進み現在は村内有数の水田地帯になっている。

ここはガクモ原と呼ばれていて、一部は姫川源流付近に残っている。


「白馬の自然 信濃毎日新聞刊」によれば、5000年ほど前までは湖だったらしい。
泥炭層の厚みは7㍍に達して、その下には80㍍に及ぶ泥質の湖沼性堆積物が分布するとのこと。
ただ西側はやはりアルプスからの土砂で形成された大規模な崖錐が発達しているとのこと。

姫川は源流からこのガクモが原のほぼ中央を北に流れて、東から数本の小河川と合流している。

神城断層は白馬盆地の東側をほぼ姫川に沿って走っている。

今回被害が特にひどく、マスコミで何度も取り上げられているのはまさにこの旧湖と断層に合致している。
地図を見てみると小河川との合流点でもあり、不幸にも悪条件が重なってしまったのだろう。

白馬駅付近では東へ数百㍍の場所ではライフライン寸断だが、駅周周辺より西は物品の落下で大変だったと聞いているが停電も数分で収まったようだ。
私が知る限りJR大糸線より西側では被害は少なく、ライフラインもずっと確保されている。
我が家は標高でアルプス側に70㍍ほど上がった地点ではあるが、ご近所に聞いても棚の上のものもまるで落下はしていないようだ。
ましてスキー場はさらに上部の岩盤の上にあるのだから、影響は全くないと思われる。

白馬村はそろそろスキー・シーズンが始まろうとしている。
あたかも全村が壊滅的な被害を受けたように感じている方が多いようで、ここ数日とにかくお見舞いの電話、メールが引きも切らない。
誠にありがたい事ではあるが、観光立村としては「風評被害」が心配だ。
年末年始の予約が本格的な時期でもあり、
ここはマスコミも初期報道から科学的な検証をメインとした落ち着いた報道に是非にも切り替えてほしいものだ。

写真Aは今回で来た断層と認定されたようです。
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写真Bはマスコミでなんども取り上げられている集落。長野方面に向かう県道沿いにある。
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写真Cはオリンピック道路沿いの地割れ
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写真Dは避難指示が出た集落付近の崖崩れと思われる場所
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すべて23日に撮影
by kmkurobe | 2014-11-24 21:48 | 安曇野
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